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【ミッション完了】 <シブヤ☆ブラレンジャーズ>「春の小川」はどこにある? in 渋谷川-3 2017.11.26

date:2017.12.03 (日)

「<シブヤ☆ブラレンジャーズ>「春の小川」はどこにある? in 渋谷川-3」を実施しました。

日時:2017/11/26(日)10:00〜12:30
場所:恵比寿駅〜渋谷区宇田川町(東京都渋谷区)
天候:晴

今回のミッションはいつものような体を動かす作業ではなく、昨年好評を博したNPO法人渋谷川ルネッサンスさんとのコラボ企画<特別企画:シブヤ☆ブラレンジャーズ>というウォーキングイベントです。
唱歌「春の小川」の舞台とされるのが、渋谷川の支流である河骨川と言われています。都市化された今では信じ難いですが、曲が発表された1912(大正元)年の東京府豊多摩郡代々幡村の一角(現在の代々木3丁目)は、唱歌のような田園風景が広がる場所でした。しかし人口が増えて川の水質が悪化し、1964年の東京五輪を前に川に蓋をする暗渠(あんきょ)化がなされ現在に至っています。こうした状況を憂い、―東京オリンピックで失われた川を東京オリンピック・パラリンピックで取り戻そうーと活動されているのが、NPO法人渋谷川ルネッサンスさんです。
かつての渋谷川の跡を遡上しながら、その土地にまつわる昔話を聞き、同時に下水道の悪臭・劣化をまねく原因となっているビルピットの実態調査を兼ねたウオーキングをしようというのが、今回の趣旨です。これまで、渋谷駅より上流側を歩いていますので、今回は恵比寿駅付近から渋谷川を上流に向かって歩き、本来の土地の様子がどのようなものであるかを知ろうという趣旨で、暗渠(蓋がされているところ)になっている所まで歩きます。
今回は、朝10:00にJR恵比寿駅東口に集合し、駅前は人の流れも多いので、早々に渋谷川のほとりにある、たこ公園へ移動しました。

 

たこ公園にて、準備体操や参加者の皆さんの自己紹介をしました。 今回一緒に実施していただくのは、NPO法人渋谷川ルネッサンスの石井さんです。

こちらの正式名称は「恵比寿東公園」で、昭和33年3月25日戦災復興区画整理公園としてできた歴史の古い公園ですが、名物のタコの滑り台から「たこ公園」と名づけられたそうです。ちなみにこのタコの滑り台は2代目で、以前はもっと大きいのがあったそうです。春はソメイヨシノやサトザクラなどが咲くお花見ポイントとしても有名。 名物のタコの滑り台から「たこ公園」と名づけられたそうです。

 

このあたりの渋谷川は、かなり深いところを流れていて、水量も多いです。なぜ水量が多いかは、後で分かります。

 

たこ公園からちょっと下流に下った左岸側(川は、水の流れに沿って、上流から下流を見た時を基準に、右岸・左岸といいます)に、渋谷川に注ぐ排水溝が見えますが、これは「いもり川」が暗渠化された名残です。いもり川は、青山学院大学(青学)の辺りですが、源流と思われる場所は、今は青学のプールになっています。

 

ちょっと上流に行くと「庚申塚」があります。庚申塚は全国各地にありますが、道教に由来する庚申信仰に基づいて建てられた石塔です。これは、人間の体内にいるという三尸虫(さんしちゅう)という虫が、庚申の日の夜に寝ている間に天にその人の悪事を報告しに行くとされていることから、それを避けるためとに一晩中眠らずに宴会をしたりする風習で、江戸時代に盛んに行われたそうです。ちなみに庚申(こうしん・かのえさる)は干支のように、60日に一度、巡ってきます。 江戸時代にこの辺りに住んでいた人も、そうした風習を行なっていたと思うと、楽しいですね。

 

さらに上流に歩いて、並木橋まで来ました。代官山の駅前の道が、明治通りにぶつかるところです。

ここには勢いよく水が流れ出しているところがあります。この水は、東京都が平成7年より実施した清流復活事業の一環として、新宿区上落合にある落合水再生センターで高度処理した再生水を利用したものです。これより上流は、欅坂の「サイレントマジョリティ」のジャケット写真が撮影された場所ですが、水はチョロチョロ程度しか流れていませんね。

 

最後に、渋谷川が暗渠になる稲荷橋のところまで来ました(写真がなくてすいません)。このあたりは、渋谷の再開発が急ピッチで進められているところで、2018年の秋には、「渋谷ストリーム」という高層ビルが完成予定です。ストリーム=流れの名の通り、水と親しむ場所もできるようです。これより上流は、渋谷駅東口の駅前(というか駅の中)を渋谷川が流れていますが、人の目にふれる場所ではないため、知る人ぞ知る存在になってしまっています。

 

今日のゴールに近づいて来て、昨年とすっかり様子が変わってしまってビックリ。

↑今年の様子

↑昨年の様子。

 

今回の最終地点は、旧宮下公園の脇の駐輪場です。昨年は、ここは1階が駐車場、屋上が宮下公園になっていたのですが、ここも再開発に伴って、景色が一変してしまいました。ちなみにここは、暗渠になっている渋谷川の分岐地点で、JRの下がトンネルになっていますが、ここは元々は道として存在している場所でなく、宇田川(うだがわ:現在は町名は残っていますね)のためのトンネルが、暗渠化された際に道となったため、何となく形が変です。

ちなみに今回は、川の元々の姿を調べつつ、下水の臭気調査を実施するミッションで、ところどころ、下水が臭うか調べつつ歩きました。

 

↓結果はこちら(スリックでPDFが開きます・調査データ提供:NPO法人渋谷川ルネッサンス石井様)

街中にあるビルには、汚水を一時的に地下にある「ビルピット」に貯めてから、ポンプアップして下水管に流す構造になっていますが、東京都の場合、半年に一回以上、ビルピットの清掃(バキューム)が義務付けられていますが、処理が十分でないと汚水が浄化槽から溢れて、下水管から卵が腐ったような強烈な硫化水素の匂いが漂ってくることがあります。今回も、いくつかの場所で「臭いを感じる」人がいました。

 

 

今回は、初めてのルートで渋谷川を歩きましたが、町の成り立ちや歴史を知るのは、本当に楽しいですね〜。
参加して頂いた皆さん、NPO法人渋谷川ルネッサンス石井様、どうもありがとうございました。

 

リーダー&レポート:伊藤博隆

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