ミッション完了レポート
【ミッション完了】<特別企画:ブラレンジャーズ>文部省唱歌「春の小川」の舞台は今 in 渋谷川 2015.12.6
レンジャーズプロジェクトでは、「シブヤ環境プロジェクト2015」の事務局を仰せつかっております。
今回は、渋谷の下水道の問題について知ってもらおうと、ウォーキングイベントを開催しました。
テーマは「渋谷川」。渋谷に川?!
集合場所はハチ公前。休日の朝とはいえ、予想以上の人ごみで、
隊員の皆さんの点呼にもちょっと手間取ってしまいました。
この日、コラボさせていただくNPO法人渋谷川ルネッサンスの皆さんと無事合流し、まずは駅の南側へ移動します。
まず、渋谷の街の歴史についてNPO法人渋谷川ルネッサンスの石井さんより、
説明をしていただきました。
「渋谷」はその名の通り、すり鉢のような地形の一番底に位置しています。
玉川上水からの高低差実 に2~30m、隠田川(おんでんがわ)と宇田川(うだがわ)が合流し、渋谷川が流れています。
この宇田川の支流の一つである河骨( こうほね)川が、かの有名な「春の小川」の歌詞の
舞台となったといわれています。
大正のころ、今の代々木あたりにはのどかな田園風景が広がり、当時近隣に住んでいた
国文学者・高野 辰之博士が川のほとりを散策した経験から作詞したそうです。
その後、昭和39年の東京オリンピックを前に、大規模な都市改造が行われ、
その時に渋谷川は下水道として使われることになり川に蓋をされ、
渋谷駅より上流の部分は現在のような暗渠(あんきょ)とされました。
そして今、渋谷駅の地下で大規模な工事が行われているのをご存知でしょうか。
駅の再開発に伴って渋谷川の流れを変え、雨水の貯留槽を整備したり、
稲荷橋より下流に下水処理再生水を流入させて、せせらぎの再生が行われる予定です。
その稲荷橋が、ここです!
知らずに通ってますよね、しかも川が流れていることなんて気にも留めていませんでした。
ここから上流は、ずっと建物の下です。
稲荷橋からヒカリエの前を通り、駅の北側に出ます。
途中、国道246の歩道橋からは旧東横線の線路が寂しそうに残っている様子が見られました。
この日の参加者は総勢40名ほど、ちょっとした団体でした。
NPO法人渋谷川ルネッサンスさんの目印は大きな栓抜き!これはどうしてでしょう?
今は暗渠となっている渋谷川のふたを次のオリンピックまでに外そう!という主張です!
シュポッと気持 ちよくふたの外せる日が来ますように!
…って今の若い方は「栓抜き」でビール瓶を開ける、なんてことしないかもしれませんね…
そして皆さんの目印は何と風船!目立つけどかわいくて、さすが街中でのアピールに長けてらっしゃいます!
JRの線路に沿って細い道を少し進むと、小さな広場に出ました。
ここは線路沿いに駐輪場が作られていますが、その通路の幅や向きがなんだかナチュラルな感じ。
そ う、昔の渋谷川の流れに沿っているそうです。
さて、この写真に見えますのはおなじみ西武百貨店。
ここで、私にとってこの日一番の「へえ!(古)」が訪れます。
デパートといえば何はなくともデパ地下、ですが、この西武には広い地下売り場がありません。
言われてみれば、確かに渋谷はお店も飲み屋さんも映画館もビルの中が多いですね。
しかも道玄坂にスペイン坂、宮益坂と坂だらけです。
西武の地下では宇田川が渋谷川に流れ込み、東急に至っては橋の上に建ててしまったため、
そもそも デパ地下が発展しにくい街だったのだそうです!
今でこそ地下街はありますが、それも傾斜している地形をうまく利用しているものであることは
想像に難くないでしょう。
そして、ビルといえば今回もう一つのテーマである「ビルピット」のお話と調査です。
「ビルピット」とは
ビルの地下にある厨房やトイレ等は、下水道管より低い位置にあるため、排水を自然流下で排水する ことができません。
そのため、地下部分で発生した排水をポンプでくみ上げて下水道に排除しています。
このとき、一時的に排水を貯留する排水槽を「ビルピット」と呼んでいます。
このビルピットが正しく機能し、清掃や整備が行き届いていれば決して「渋谷はクサイ」なんて
言われないわけです。
しかし、残念ながら渋谷でも時々、異臭を感じることがありました。
今回、ウォーキングしながら、そのビルピットからの異臭を感じるかどうかを調査しました。
とても原始的な調査方法ですが、「嫌な臭いだな」と感じる感覚は数値よりもはっきり出るとのこ とで
参加者全員で行いました。
「ここで何か嫌な臭いを感じる人!」「はーい(挙手)」を数地点で行った結果は、最後に示します。
調査を行いながら、渋谷川の支流である宇田川をさかのぼります。
その途中には水車があったという交差点を通り、「春の小川」看板に沿って進んでいきます。
銀杏並木の美しいNHKの前を通ってお役所ゾーンへ。
ここらでは一番小高い場所にたどり着きます。
ここから神社の中を通らせていただいて坂の下へ。
ここからまた丘を目指して坂を上りきると「トイレ診断士の厠堂」なる公衆トイレに戻りました。
これ、区の命名権事業なんだとか。
せっかくなら、人の集まるところにはチップ制トイレを整備してもいいかもしれませんね。
最近の公衆トイレはどこも格段にきれいになりましたが、それでも、タダなら何をしても的な人がいるのは残念です。
今、渋谷公会堂や渋谷区役所も建て替えや移転の真っ最中で若干寂しい風景でしたが、
着々と整えられている様子が見て取れます。
さて、NHK前に戻り、再び宇田川をさかのぼります。
住宅街の中を抜ける細い道ですが、遊歩道として整備されていてとても歩きやすいです。
道沿いに歩くことしばし、あら、代々木公園が見えてきました。
そして、左手に見えるのはこの前の週にミッションを行ったはるのおがわプレーパークです。
いよいよゴール間近です。
はるのおがわプレーパークのわき、小田急の線路沿いにひっそりと建っているのが
「春の小川」の碑 です。
碑の前で記念撮影をしたり、ロマンスカーを眺めたり(旧型が今走ってるんですね!)した後、
代々木公園に場所を移し、ふりかえりとアンケートをお願いしてお開きとなりました。
誰もが知っているあの歌が、東京の真ん中で生まれたなんて私も全く知りませんでした。
もうすぐ「春の小川」を口ずさみたくなる季節が廻ってきます。
今年は昔の渋谷の風景に想いを馳せつつ、ドラスティックな変化を遂げるであろう今の渋谷を見守りたいですね。
今回は、NPO法人渋谷川ルネッサンスの皆さんに先導や説明、調査などもお願いしました。
スタッフとはいえ、すっかりお客様気分で参加してしまいました。
わかりやすい説明とボランティアの皆さんのお心遣いに感謝します!
雑踏で迷子になる方がいては大変、といつもと違う心配をしていましたが、
集団行動を心掛けてくださった隊員の皆さんありがとうございました!
(リーダー&レポート:いが)
<感応調査の結果>
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<アンケート調査の結果>
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<NPO法人渋谷川ルネッサンスさん>
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この活動は、「シブヤ環境プロジェクト2015」の一環として、平成27年度みどり東京・温暖化防止プロジェクトの助成を受け、実施しました。