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【ミッション完了】都市公園の竹藪から発見された希少植物を保全せよ!in 八王子市富士見台公園 2015.4.25

date:2015.05.14 (木)

2015年4月25日(土)東京都八王子市の「富士見台公園」にて、ガッツリ度★★★★☆の「都市公園の竹藪から発見された希少植物を保全せよ!in 八王子市富士見台公園」を実施しました。

初めて伺うフィールドで、ガッツリと公園の生物多様性向上に向けて、活動して参りました!



今回は、京王相模原線「京王堀之内駅」に9:25に集合して、徒歩で活動場所へ向かいます。
緑の多いところって、あまり駅の近くにはありませんので、こうしてみんなで駅から住宅街を抜けて移動します。



15分くらい歩き、「富士見台公園」に到着~っ。
元々の地形をそのまま利用して、丘が公園になっています。新緑が気持ち良いですね。



現地に着いたらいつもの通り、体操・自己紹介をして、フィールドの特徴や本日の作業について説明します。
今日は、現地の公園管理をする「スマートパークス由木」の小林さんより説明を受けます。
小林さんは地元出身の自然好きで、植物やら昆虫やら、地元の事ならメッチャ詳しい「トコロジスト」です。
※トコロジスト=「トコロ」(場所)+「ジスト」(~する人)でその場所の専門家。野鳥や植物など特定の分野だけでなく、その地域の地理や地質、歴史や文化など幅広い分野に興味を持つ人のこと。



この公園は、2年前までは別の団体が管理していて、現在の「スマートパークス由木」さんが管理するようになったのは、平成26年度から。
公園の新たな整備方針の一つとして「地域の自然を大切に守り、生物多様性にも配慮したみどりの最適化管理」を掲げられています。
その一環として、公園にびっしりと茂っていたアズマネザサ(雑木林ではお約束の、生命力の強い小型の竹です)を刈り取りをされました。
すると、これまであまり陽の当らなかった土から、眠っていた元々そこにいる植物が一気に復活してきました。
アズマネザサの切り口は鋭くて、さながら天然の剣山(華道で使うあれです)のようで、危険です。


こうしてニリンソウも復活し、美しい花を咲かせています。
ニリンソウは春植物で、林床が暗くなる6月頃に地上部は枯れてしまうという変わった性質を持っています。
今回は、これを保護する柵も作るのですが、花の時期に場所を特定しておかないと、すぐ枯れて、どこに分布しているのか分からなくなってしまいます。
ですので、花のあるこの時期に柵を作らなければならないのです。



そして本日一番のガッツリ作業です。公園の業者さんがアズマネザサを刈ってチップにしました。
しかし、チップを置いた場所は林のフチで、こうした場所は他に比べて陽が当たるので植物にとっても良い環境です。
「このチップの下にも、希少な生物が眠っているかもしれない・・・」ということで、このチップを移動することにしました。



チップを別の場所に移すために、ビニール袋に詰めます。かなりの量ですよ。
竹のチップは一部発酵が始まっていて、発酵熱で少し暖かくなっていました。



稀少種なので名前は出しませんが、希少種を見つけたら、竹の棒と棕櫚(シュロ)縄で囲いを作っていきます。



棕櫚縄の結び方も教えてもらいます。
これは、柵の上をくるっと回すのに丁度良い、いぼ結び(通称:男結び)。
色々勉強になります。


藪を刈ると、それまで目に見えなかったものも露出します。
不法投棄と思しきゴミ類も多く、これらも取り除いていきます。
この巨大な塩ビ管、どこから来たのか?



そんな訳で、盛り沢山のメニューも何とか終了。
今回は屈強な男子学生も多く、かなりガッツリでしたが、
女性の方も柵づくりなど、体力勝負でない作業もやって頂きました。

新たな方針で手入れをしはじめた公園は、未知の作業が沢山あります。
少し大変ではありますが、こうしたフロンティアが一番面白いと思います。
こうして手入れをされた環境が継続されれば、眠っていた種がドンドン発芽し、
昔の里山の風景が甦ってくるかもしれません。
こうした作業のお役に立てて良かったです。

指導して頂いたスマートパークス由木の皆さん、参加してくれた隊員の皆さん、
どうもお疲れまでした!



Report & Ledar:伊藤博隆

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