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【ミッション完了】ホタルの棲む環境を保全せよ! in 栃木県足利市名草地区 PART-2 2014.11.22

date:2014.11.25 (火)

11月22日(土)栃木県足利市の「名草ほたるの里」にて、ホタル保全活動(PART2)のミッションを実施しました。


 今回は先週に引き続き「名草ほたるの里」の2回目です。レンジャーズ初のバスツアー。レンジャーズの母体である自然環境復元協会の事業の一環として、レンジャーズで栃木まで応援に行くこととなりました。何せ2回目ですので、前回のフィードバックを得て、バッチリ地元の皆さんのお役にたって参りました。



今回は新宿西口に朝8:20集合。先週は「時間通りに行ったよ」という報告を受けつつも、今回は3連休の初日にあたり、なおかつ首都高で事故もあったため結構な渋滞。1時間半近く遅れてしまい、足利集合の隊員さんにはお待たせしてしまいました。



着いた頃には、既にお昼近く。「まあ、飯でも・・・」という事で、地元の「名草源氏ボタル保存会」の皆さんより、トン汁とミカンと漬物と水の差し入れを頂き、各自持参の弁当でまずは腹ごしらえ。お昼を食べながら自己紹介と本日の作業内容の確認をしました。





早速、作業場所へ移動。ご覧のように水路になっており、上流の沢から水を引き込んで、ホタルの繁殖池を作っています。平成元年頃から、この活動を継続されており、頭の下がる思いです。



これがホタルの幼虫のエサとなるカワニナです。作業のために数日前に水を抜いています。作業前にまずはこの子たちをレスキューすべく、一つ一つ拾い集めて行きます。これが結構、地味にシンドイ。
ちなみにカワニナは貝の仲間で、ウミニナ→カワニナ→オカニナと海→川→丘と住む場所を広げていった仲間です。カタツムリやナメクジと同じ仲間で、昔はこれを食べる地方もあったそうです。



カワニナ・レスキューが済んだ場所から、水路に溜まった泥をスコップで掻き出していきます。たっぷりと水分を含んだ泥は重く、かなりの重労働です。若手イケメン二人組は、力強く掘り進めていきます。頼むぜ!



泥を掻き出していると、泥の中から時折「ドジョウが出てきてこんにちは!」
死んでいるのかと思いツンツンしてみると、もぞもぞっと動き出しました。
いや、これにはマジでタマげました!
ドジョウは、こうして泥の中で越冬するそうです。通常はエラ呼吸ですが、水がなくなると皮膚呼吸で生き続け、春を待つのだそうです。
この他、カワニナ、タニシ、アメリカザリガニも同じように、泥の中で冬を越すのだとか。
なんという、里山の自然に特化した生態なんでしょう。田んぼは通常、稲刈り前に水を抜き、干してしまいます。田んぼの水辺に棲むいきものが、稲作を基本とした人間の営みとここまでリンクしているとは、改めて驚かされます。ドジョウは少しでも水分があれば生き残れるそうですが、田んぼの水路をコンクリの三面張りにしてしまうと完全に干上がってしまい、冬を越せなくなってしまいます。水生動物が住めなくなるという事は、これらをエサにする鳥なども、当然数が減ってしまいます。コウノトリやトキが絶滅したのは、こうした水路のコンクリ化と、農薬の使用により、水生動物が減った事だと言われています。





カワニナ・レスキュー・チーム(KRC?)48が救出したカワニナを、ホタル発生地に戻していきます。ちなみに、ここで繁殖させたカワニナやホタルは、もともとこの沢にいた系統のものですので、生物多様性保全でいう遺伝的攪乱の問題はありません。



何とか無事に作業完了。全部は終わりませんでしたが、目的としていた泥の掻き出し作業は、かなり進みました。「名草源氏ボタル保存会」の皆さんも隊員の皆さんも達成感を感じました。スコップ作業も多く、皆さんきっと、翌日は筋肉痛になったに違いありません。保存会の皆さん、隊員の皆さん、どうもお疲れ様でした!




<オマケ>

今回のミッションは栃木県足利市。この川は渡良瀬川。森高千里の歌の舞台になった「渡良瀬橋」はこの橋の2本上流に掛かる橋。「♪わたらせ~ば~しで 見る夕日を~ あなたはとても~ 好きだったわ~」おお~っ、まさに歌詞の世界! ナビには「八雲神社」と表示され、アラフォー世代のリーダー及び隊員の方には涙モノの世界。若い世代には「?」な世界。


今回のバスツアーはByung Byung Tours さんにお世話になりました。14人乗りのハイエースで快適です。社長のParkさんは、今回のリーダーのアメリカ留学時代の仲間で、-50℃のアラスカでオーロラのガイドをやっていた人です。アメリカにいた時、彼の車でドライブしていたところ、砂漠の真ん中でガス欠になり、自分は一人でかなり不安になりながら、車で彼の戻りを待っていたという逸話があります。

(リーダー&リポート:伊藤博隆)

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